在宅ワーク3年目エンジニアが実践する集中力維持の方法
はじめに
コロナ禍から始まった在宅ワークも、気がつけば3年が経過した。最初の頃は環境の変化に戸惑い、生産性が30%ほど低下して焦ったものだ。オフィスと違って誘惑が多い自宅で、どうやって集中力を保つのか。試行錯誤を重ねた結果、今ではオフィス勤務時と同等以上の生産性を実現できるようになった。
この記事では、ITエンジニアとして在宅ワークを続けてきた私が、実際に試して効果があった方法と、お金をかけたのに効果がなかった失敗談を包み隠さず紹介していく。
作業環境への投資は惜しまない
昇降デスクで腰痛とおさらば
在宅ワークで最初に投資したのが昇降デスク(FlexiSpot E7B)だった。Amazonのセールで約4万円。別途天板も必要で、無印良品のパイン材テーブル(160cm×80cm)を約1万円で購入した。天板付きのモデルもあるので、面倒な人はそちらを選んでも良いと思う。
1日3回、朝9時、昼14時、夕方16時に各30分ずつ立ち作業に切り替えている。特に朝イチは出社がないからか集中力が上がらないので、立って仕事をすることで無理やりスイッチを入れている。面白いことに、オンライン会議も立ってやると発言回数が座っている時の2倍くらいになった(体感だが)。なぜか意見がたくさん出てくる気がする。
照明とヘッドホンで環境を整える
モニターライトバー(BenQ ScreenBar)を導入してから、目の疲れが体感で50%は減った。18時以降の作業でも集中力が持続するようになったのは大きい。
騒音対策にはノイズキャンセリングヘッドホン(Sony WH-1000XM4)を使用している。家族の生活音を90%カットしてくれるので、集中したい時の必需品だ。会議時のマイク性能も良好で、相手から「音質が良い」と褒められることも多い。
時間管理は自分流にカスタマイズ
ポモドーロテクニックを45分サイクルに
有名なポモドーロテクニックだが、標準の25分作業では短すぎて集中が途切れてしまう。色々試した結果、45分作業+10分休憩のサイクルが自分には合っていた。午前中は2サイクル、午後は3サイクルを基本にしている。
タイマーは物理ガジェットの「minee」を愛用している。ひねるだけでタイマーセットができ、スマホを触らなくて済むのでSNSの誘惑に負けない。タイマーが鳴る音も優しくて気に入っている。
雰囲気作りには「ChillPulse」というSteamのゲームも使っている。女の子と一緒に勉強するという珍しいコンセプトで、作業時間に応じて街が発展していくのがモチベーションになる。セール時なら500円前後で買えるので、興味がある人は試してみると良い。
集中力のゴールデンタイムを見つける
2週間ほど作業ログを取って分析したところ、私の場合は10時から12時が最も生産的だった。この時間帯のGitHubコミット数は他の時間帯の1.5倍。そこでこの時間は会議を入れない「聖域」として死守している。重要なコーディング作業は必ずこの時間に割り当てるようにした。
運動習慣で心身をリフレッシュ
昼休みの散歩は必須
12時30分から12時45分まで、必ず近所を一周する。歩午後の仕事に向けてリフレッシュできる。雨の日は室内で足踏み運動をYouTubeの動画を見ながらやっている。
朝8時55分から5分間のストレッチも日課だ。首、肩、腰を中心に簡単なストレッチをするだけで、1日の体の動きが全然違う。
ランニングは夏は朝6時、冬は夕方17時に30分程度。週3回を目標にしているが、実際は週2回が現実的なところだ。
失敗から学んだこと
効果がなかった方法
早朝5時起きでの作業は3日で挫折した。眠いの一言に尽きる。
作業用BGMとしてポッドキャストやラジオを聞いていた時期もあったが、内容に気を取られて集中できなかった。単純作業の時だけなら良いが、コーディングには向かない。
立ち作業オンリーも試したが、足が疲れて逆効果だった。適度に座ることも大切だと学んだ。
コスパが悪かった投資
10万円の高級オフィスチェアを買ったが、ニトリの2万円のチェアと大差なかった。正直、後悔している。
モニターも4枚体制にしたが、3枚で十分だった。むしろ視線の移動が増えて疲れるだけだった。
集中力を支えるツールたち
作業用BGMは歌詞のない音楽一択だ。特におすすめなのがこのYouTubeのLo-fi Hip Hopプレイリスト。4時間以上あるので作業用に最適。雨音のASMR動画も集中したい時によく使う。
在宅ワークの光と影
良かったこと
在宅ワークの利点は数え切れない。家事ができる、通勤時間がない、酷暑でも外に出なくて良い、人混みを避けられる、雨に濡れない、自分の時間が増える。特に通勤時間がなくなったことで、1日2時間以上も自由時間が増えた。
悪かったこと
正直なところ、私にとってはデメリットが見当たらない。人によってはコミュニケーション不足を感じるかもしれないが、SlackやTeams、オンライン会議で十分だと感じている。運動不足は意識的に散歩やランニングをすることで解決できるし、仕事とプライベートの境界も時間で区切れば問題ない。
まとめ
在宅ワークで集中力を維持するには、自分に合った環境と習慣を見つけることが何より大切だ。完璧を求めず、少しずつ改善していけば良い。
初期投資、特にデスク環境への投資は惜しまない方が良い。毎日8時間以上使うものだから、ここをケチると後悔する。一方で、高級品が必ずしも良いわけではないことも学んだ。
最も重要なのは、定期的に自分の働き方を振り返り、改善を続けることだ。オフィス勤務の良さも認識しつつ、在宅ワークの利点を最大限に活かしていきたい。
これからも試行錯誤は続くが、今のところ在宅ワークは私にとって最高の働き方だと確信している。