競馬予想の自動化に再挑戦!AI時代に考える期待値アプローチの実装
はじめに
私は競馬が好きだ。ただ最近忙しくて予想がまともにできていない。よってまた競馬予想を(半)自動化したい。 これまで何度かチャレンジしては挫折を繰り返してきた。しかし、AIの急速な発展により、今こそ再挑戦する絶好のタイミングが来たと感じている。今回は、過去の失敗から学んだ教訓と、新たなアプローチについて共有したい。
過去の挫折から学んだ教訓
資金力と時間軸の重要性
競馬予想の自動化に取り組んで最初に痛感したのは、資金力の重要性だった。理論的に優れた予測モデルを構築できたとしても、実際に収益を上げるためには網羅的に馬券を購入する必要がある。1レースで大勝ちを狙うのではなく、統計的に優位性のあるレースを幅広くカバーすることが大切なのだ。
資金が限られている場合、相当な時間をかけて少しずつ利益を積み重ねていく覚悟が必要になる。短期的な結果に一喜一憂せず、長期的な視点で評価することが成功への鍵となることを学んだ。
一攫千金ではなく統計的アプローチ
当初は「AIで画期的な予想法を開発して一攫千金」という夢を抱いていた。しかし現実は甘くない。競馬予想の世界には既に多くの先人たちが存在し、単純にプラス収支を達成することすら容易ではない。
そこで重要になるのが期待値という考え方だ。各レースで「当てる」ことを目指すのではなく、期待値がプラスになるレースを淡々と買い続ける。この考え方自体は散々言われてきたことだが、実際に実装して運用するとなると、精神的にも技術的にもハードルが高いのが現実だ。
AI技術の発展がもたらす新たな可能性
複雑な予測モデルの構築が容易に
最近のAI技術の進歩は目覚ましい。以前は実装に苦労していた複雑な予測モデルも、現在では比較的簡単に構築できるようになった。特に大規模言語モデルの登場により、過去のレースデータから有益な特徴量を自動的に抽出することも可能になってきている。
私が現在開発している分析ツールでは、過去のレースデータを多角的に分析し、各馬の能力を定量的に評価できるようになっている。完成次第公開予定だが、これまでとは全く異なるアプローチで競馬データを解析できることにワクワクしている。
リアルタイムデータ処理の進化
もう一つの大きな進歩は、リアルタイムでのデータ処理能力の向上だ。最新のオッズ情報を即座に取得し、期待値の計算を瞬時に行うことが可能になった。これにより、レース直前まで最適な購買戦略を調整できる。
実装に向けた技術的なアプローチ
各馬の勝率計算システム
現在最も注力しているのは、レース単位で各馬の勝率・連対率・複勝率を正確に算出するシステムの構築だ。過去のデータだけでなく、当日の馬場状態、騎手の調子、血統的な相性など、様々な要素を総合的に評価する必要がある。
機械学習モデルを使って、これらの複雑な要素を統合的に処理し、より精度の高い確率を導き出すことを目指している。特に、従来の手法では見落とされがちな非線形な関係性を捉えることで、競合優位性を確保したいと考えている。
期待値ベースの購買戦略
勝率が算出できれば、次は期待値の計算だ。最新のオッズと組み合わせることで、どの馬券を購入すべきかを自動的に判断できる。ただし、ここで重要なのは単純に期待値が高い馬券を全て購入するのではなく、リスク分散を考慮した最適なポートフォリオを構築することだ。
全レースを対象とし、資金配分を最適化することで、長期的に安定した収益を目指す。これは投資における現代ポートフォリオ理論の応用とも言える。
開発における現実的な制約と対応策
予想公開の難しさ
開発を進める中で悩ましいのが、予想の公開についてだ。多くの競馬ファンは「次のレースを当てたい」という即効性のある情報を求めている。しかし、このアプローチは長期的な期待値を重視するため、個別のレースでは外れることも多い。
そのため、現時点では予想の一般公開は見送り、まずは自分自身で実績を積み重ねることに専念する予定だ。ただし、将来的には「俺プロ」のような予想公開プラットフォームへの参加も視野に入れている。
長期的視点での評価の必要性
もう一つの課題は、システムの評価に時間がかかることだ。統計的に有意な結果を得るためには、最低でも数百レース、理想的には数千レースのデータが必要になる。9月末までには基本的な実装を完了させたいと考えているが、その後も継続的な改善と評価が必要だ。
まとめ
競馬予想の自動化は、技術的にも精神的にも挑戦的なプロジェクトだ。過去の失敗から学んだ教訓を活かし、最新のAI技術を駆使することで、今度こそ実用的なシステムを構築したい。
重要なのは、一攫千金を狙うのではなく、統計的な優位性を持つシステムを構築し、長期的な視点で運用することだ。資金管理とリスク分散を適切に行い、期待値がプラスになるレースを淡々と購入し続ける。これが、私が考える競馬予想自動化への現実的なアプローチだ。
開発は始まったばかりだが、AIの力を借りて、これまでとは違う結果を出せることを期待している。完成した分析ツールは順次公開していく予定なので、興味のある方はぜひチェックしてほしい。