Claude Codeでスペック駆動開発を実践する
はじめに
Claude Codeを使って個人開発を楽しんでいる。素晴らしいツールだと思う反面、使い込むうちに困ることも出てきた。爆速で開発できるのは確かだが、CLAUDE.mdだけでは全ての指示を管理しきれない。
最近、AmazonがリリースしたKiroというIDEの記事を読んだ。Claude Codeとの組み合わせで効率的な指示出しができるらしい。試してみたかったが、2025年8月5日現在、ウェイトリストだった。
Kiroとスペック駆動開発
Kiroの特徴
Kiroは、Amazonが開発したIDEで、以下のような特徴を持っている。
- タスクの仕様書作成に特化したエディタ機能
- LLMとの連携を前提とした設計
- 仕様と実装の分離による効率的な開発フロー
- 要件定義から実装までの一貫したワークフロー支援
スペック駆動開発のアプローチ
Kiroが使えない中でも、Claude Codeだけでスペック駆動開発をやっている人はたくさんいる。Serenaを使った方法を紹介している記事もあったが、私は試していない。別途Serenaは導入しているものの、今回は違う方法を使っている。
私が採用している方法
基本的な仕組み
私はこちらの記事をもとに、スペック駆動開発をさせてもらっている。大変ありがたい。この方法の特徴は以下の通りだ。
- CLAUDE.mdとSlash Commandsを使うだけで必要なドキュメントが揃う
- 人間のレビューが必須
- シンプルで実践的
具体的なワークフロー
参考記事で紹介されているワークフローは、Slash Commandsを使った段階的なアプローチだ。
- 要件定義 -
/spec-requirements
で要件ドキュメントを作成し、人間がレビュー - 技術設計 -
/spec-design
で設計ドキュメントを作成し、また人間がレビュー - タスク計画 -
/spec-tasks
で実装タスクを洗い出し、検証 - 実装 - すべてのドキュメントが承認されてから実際のコーディングに着手
各段階で人間のレビューと承認が必須となっており、品質を担保する仕組みになっている。詳細な手順については、ぜひ元記事を参照してほしい。この記事の著者には本当に感謝している。
実践してみた感想
メリット
- コンテキストの管理が楽 - 仕様が文書化されているため、後から振り返りやすい
- 複雑な機能の実装がスムーズ - 段階的に実装を進められる
- 品質の一貫性 - 仕様に基づいた実装により、品質が安定する
デメリット
- 初期の仕様書作成に時間がかかる - ただし、後々の時間短縮を考えれば投資価値はある
- 仕様の更新管理が必要 - 実装中に仕様が変わった場合の管理が課題
Waitlistを待つ間にできること
ウェイトリストに引っかかってスペック駆動開発が試せない方は、この記事を参考にするとかなり良い体験ができると思う。実際に使ってみると以下のような発見があった。
- 仕様を書く過程で要件が明確化される
- Claude Codeとの対話がより建設的になる
- プロジェクトの全体像が把握しやすくなる
Kiroが使えるようになっても私はこっち使っちゃうかも。特別なツールに依存せず、テキストファイルとClaude Codeだけで完結するこの方法は、個人開発において十分実用的だ。
まとめ
Claude Codeを使ったスペック駆動開発は、特別なツールなしでも十分実践できる。CLAUDE.mdとSlash Commands、そして仕様書を組み合わせることで、効率的な開発が可能になる。
Kiroのような専用ツールが登場するのは良いことだが、それを待つ間も、既存のツールを工夫することで十分な生産性を確保できる。重要なのは、ツールではなく開発プロセスをどう整理するかだ。
個人開発では、この方法が特に有効だと思う。プロジェクトが大きくなっても、仕様書による管理は拡張性があり、長期的な開発にも対応できる。ぜひ試してみてほしい。