競馬予想AIを個人で作って勝つのは、もう難しい時代に入ったと思っている。少なくとも私の手元では、2024年頃まで回収率プラスだったロジックが、2026年にはマイナスに転落した。同じやり方を回し続けただけで、こうなる。

以前、競馬予想の自動化に再挑戦するという話を書いた ことがあって、当時は AI と期待値の組み合わせにそこそこ夢を見ていた。あの記事から二年弱が経って、状況は予想以上に厳しい方向に動いた。困ったもんです。

2024年と2026年で、同じロジックの数字が反転した

仕組みは大きく変えていない。特徴量も、モデルの作り方も、買い目の出し方もほぼ据え置きで回している。それでも結果がはっきり違う。

2024年に検証していたときは、年間通せばプラスに着地できる程度の数字は出ていた。派手な勝ち方ではなく、淡々と微益を積む感じで、これなら趣味として続けてもいいかなと思える内容だった。

それが 2026年の同じやり方では、回収率が明確にマイナスに振れている。レース母集団は変えていないし、買い方も同じ。変わったのは私ではなく、市場のほうだ。

オッズ確定の瞬間に二十数パーセント下がるレースが出てきた

決定的だったのは、単勝オッズの動き方だ。最終オッズ画面で表示されていた値から、確定オッズで 25% 近く下がるケースを見るようになった。

つまり、自分が「妙味あり」と判断して張った穴に、まったく同じ思考で張った人たちが、最後の最後でなだれ込んできている。期待値で見れば旨味があったはずの馬券は、確定した瞬間に旨味が削り取られた状態で確定する。

これは要するに、似たような競馬予想AIを動かしている人が、私の知らないところで大量に走っているということだ。買い目が被れば被るほどオッズは溶ける。

ChatGPT 以前から作っていた組には勝てない

私が雑に競馬予想AIを触り始めたのは、結局のところ LLM ブームに乗ってからだ。ChatGPT が出て、その後 Claude Code みたいなコーディング支援が当たり前になって、特徴量エンジニアリングもデータ整形も格段にやりやすくなった。

ただ、これは私だけに起きたことではない。むしろ、もっと前から地道に作り続けていた人たちが、LLM の登場でさらに高速に試行回数を回せるようになった、と見るほうが自然だ。

ChatGPT 以前から作っていた組は、自分のドメイン知識をすでに持っている。そこに最近の道具立てが乗っかってきている。後発の私が、同じ穴を狙いに行っても勝ち目は薄い。

機械的に期待値だけを追う戦略は、もう通用しない

「期待値が 1.0 を超える買い目だけを淡々と買い続ける」というのが、私を含めた多くの自動予想システムの基本形だった。これが綺麗に機能していた時代は、たぶん終わっている。

理由は単純で、同じ計算をできる人と機械が増えすぎたからだ。期待値が高い場所には人が群がる。群がった結果オッズが下がる。下がったオッズで再計算すると、もう期待値は 1.0 を割っている。買った瞬間に負け確、というやつだ。

ここを乗り越えるには、たぶん他の人が見ていない切り口を持つしかない。馬の体調・厩舎情報・血統の細かいトレンド・パドック映像、何でもいいが、データに変換しにくい情報を取りに行く方向だろう。少なくとも、netkeiba から落としてきたデータをそのまま学習させるだけでは、勝てない側に立つ確率が高い。

それでも作りたい人には、無理に止めない

結論として、私は競馬予想AIの開発を人にはおすすめしない。時間の対価として得られるものが、昔ほど割に合わない。趣味として割り切れる人はいいけれど、勝つ前提で時間を投下するのは厳しい。

ただ、それでも作りたい人を止める気もない。趣味としては面白い領域だし、データ分析や機械学習の練習素材としては優秀だ。馬券で勝つことを目的の中心に据えなければ、得るものはちゃんとある。一緒に頑張ろう、くらいの気持ちで見守っている。

私はこれからも、ガトヲスタジオに競馬予想記事を置き続ける予定でいる。自動化で勝ちに行くのとはまた別の楽しみ方として、ちまちま続けるつもりだ。困ったもんです、と言いながら、今週もレースは見る。


競馬予想なら!競馬最強の法則WEB